日本における野球の始まり

皆さんご存じのようにベースボールというスポーツが生まれたのは、米国でのことです。そのベースボールが日本に伝わり「野球」となるわけですが、伝えたのは当時の東京開成学校予科、現在の東京大学で教師をしていた米国人、ホーレス・ウィルソンと言われています。つまり日本で初めて野球が行われたのは、彼が来日した1871年以降ということです。ウィルソンが生徒に教えたことで、野球は学生スポーツとしてその後日本全国に広まっていきました。そのため日本の野球は、アマチュアスポーツとしての人気が先行し、プロ野球人気が高まるのは第2次世界大戦以降のことになります。

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長嶋茂雄の登場とプロ野球の発展

プロ野球がアマチュア野球を超える人気を獲得するのは、戦後にアマチュア野球のスーパースター、長嶋茂雄がプロ入りしてからです。東京六大学野球リーグで活躍した長嶋は、多くのチームの誘いの中から読売ジャイアンツを選びました。この選択が、日本のプロ野球人気を高めることになったのです。

当時のジャイアンツは、王貞治というもう1人のスーパースターも擁する史上屈指の強力なチームでした。この2人がいたジャイアンツは、空前絶後となる9年連続日本一に輝きます。この時期「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉ができたように、ジャイアンツは日本の戦後復興の象徴となり、それが彼らを国民的人気チームへと引き上げました。そんなジャイアンツの人気に引っ張られ、プロ野球は日本の国民的スポーツになったのです。

米国プロ野球と日本プロ野球の違い

こうして日本で国民的な人気を獲得したプロ野球ですが、野球の母国、米国のメジャーリーグとは発展の仕方が大きく違いました。米国では個人であるオーナーが球団を所有しますが、日本では企業が球団を所有することになったのです。これは戦後の日本では、1人で球団を所有できるほどの富豪がほとんど存在していなかったことや、プロ野球自体が企業の宣伝も兼ねながら発展していったことが理由です。現在でも「読売」ジャイアンツや、福岡「ソフトバンク」ホークスのように、日本のプロ野球チームには企業名が冠されています。